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ホーム » コラム » 中小企業のホームページの運用改善アイデア » CDNとは何のこと?具体例や仕組みについて徹底解説
目次
インターネット社会の今、管理するためのWebサーバーは大きな負荷を抱えています。その負荷を軽減するために「CDN」という単語を目にしたことはないでしょうか?
実際にWebサーバーの負荷を軽減する役割を担っているCDNですが、具体的に何のことだか、正解にわからないという方も多いはずです。
この記事では、いままで意識していなかった「CDN」について、その仕組みやメリット・デメリットなどについて具体的に解説するのでぜひ参考にしていただければと思います。
CDNとは「Contents Delivery Network(コンテンツデリバリーネットワーク)」の略で、Web上のコンテンツを効率よく安定的に配信できるように構成されたネットワークのことを指しています。数多くのキャッシュサーバーによって構成されており、利用することによってユーザーにコンテンツを配信するにあたり問題が起こらないようにすることが可能になります。
従来であれば、Webサイト上で大量のコンテンツ(画像、動画、音楽、ゲームなど)を公開している場合はWebサーバーに大きな負担がかかり、表示が遅くなったりサーバーダウンしたりする問題が起きていました。しかしCDNは、これらのコンテンツを高速配信するために連携する世界各地に分断されているサーバーグループのため、従来の問題解決ができるようになったのです。
CDNの特徴についてはある程度理解できたかと思いましが、その仕組みについて詳しく解説をしていきます。
仕組みについては非常にシンプルです。
一般的にデジタルコンテンツを配信する場合は、送信されたリクエストからユーザにとって必要な情報をサーバーから選んでレスポンスを返しています。
CDNを利用した場合だと、リクエストを送信した際に送信前の配信内容をキャッシュとして保管するので、本来サーバーへと確認すべきフローを短縮することができるのです。このことから、効率がアップしてサーバーへの負荷も軽減することにつながります。
ここでCDNの仕組みをより理解するためにも、覚えておくべき2つの内容についてご紹介していきます。
CNAMEレコード【DNSレコード】とは、DNSで定義されるそのドメインについての情報の種類の一つで、特定のドメイン名やホスト名の別名を定義しています。
前述した通り、CDNは世界各地に分断されているサーバーグループを利用してコンテンツを配信しています。自分のサーバーでないところにデータを置いて、同じサイトURLからデータ配信をするためには「DNS」について理解しておく必要があります。このDNSではさまざまな値を設定することができますが、よく利用されているのが「Aレコード」です。
Aレコードとは、ドメインに対するAレコードは「〇〇.〇〇.〇〇」のIPアドレス、というように指定をする設定タイプです。この設定によって、ドメインとサーバーとを紐づけることができるのです。
設定タイプの一つに「CNAME」というものがあり、この設定によって特定のドメインを別のドメインに紐付けることが可能となります。その結果Aというドメインにアクセスしたユーザーは、表示は同じままでBのドメインにアクセスすることができるのです。
「リダイレクト」と似ているイメージがありますが、その場合はリダイレク先のURLを表示することになるため、少し意味合いが異なるのです。
オリジンサーバーとは、元のデータが入っているサーバーのことを言います。反対に各地に分断されているサーバーを「キャッシュサーバー(もしくはエッジサーバー)」と呼びます。
CDNではWebコンテンツを配信する「オリジンサーバー」と、データがキャッシュとして保管される「キャッシュサーバー」がオリジンサーバーの代理となってWebコンテンツを配信しています。
オリジンサーバーと比べてネットワーク的に距離が近いキャッシュサーバーにアクセスすることから、Webコンテンツの配信がより高速になるという仕組みです。
CDNが必要になった背景には、1990年以降、技術の進歩によってインターネットが普及したことが原因と考えられます。これまではテキストベースの小規模だったWebコンテンツから、画像・動画・音楽などを含む膨大なデータへと変化したため、大規模な配信が求められるようになったのです。
ECサイトや銀行取引、またビジネスでのオンラインコンテンツなど、今では大量のWebコンテンツを配信する必要があります。このような大規模なコンテンツを配信するとなると、オリジンサーバーだけでは膨大な負荷がかかりサーバーダウンなどの原因となるのです。
さらに、海外から日本のWebサービスにアクセスする場合も、ページの表示までに時間がかかってしまいます。これはオリジンサーバとの物理的な距離が遠遠いほど表示速度は遅くなることが原因で、海外ユーザー向けにサービス展開を実施あるいは検討している場合でも、表示速度の向上は課題とされていたのです。
またコンテンツの表示速度は大きな意味を持っており、ECサイトでは表示速度が0.1秒遅れることによって売上が1%減少するとも言われています。それほど表示速が違うだけで、ページの離脱率や売上に直結するため、これらの課題を解決する手段として登場したのがCDNというわけなのです。
CDNを使うメリットはいくつかありますが、特に覚えておきたいことは上記の3つです。
CDNを利用することで、ページの表示遅延を軽減することができます。
ページの表示速度にもいくつか原因がありますが、ブラウザの同時接続もそのうちの一つです。実はブラウザによって同時接続できるドメイン数が決まっており、決められた数を上回ると接続することができず待機時間が発生します。
基本的には同時接続数は6に設定されているため、ファイルのダウンロードを同時に7つ以上行うことで待機時間が発生するのです。
一方でCDNを利用することによって、あらかじめファイルデータをキャッシュサーバーで保管するため、同時接続数が6の場合でも上回る数をダウンロードすることが可能となります。これによってページの表示遅延を軽減することができます。
オリジンサーバーの場合だと、一つのサーバーに接続が集中してしまうため必然的に多くの負荷がかかってしまします。それによって、ページがうまく表示されないことやサーバーダウンすることもあるため、ユーザーによっては大きなストレスなるでしょう。
一方でCDNを利用することによって、キャッシュサーバーがオリジンサーバーの代理で応答を行うため、負担を軽減することができるのです。
結果としてサーバーのレスポンスも改善する可能性があることがメリットです。
CDNを利用することによって、サーバー費用を抑えることにもつながります。
例えばレンタルサーバーを使っている場合、一般的にデータの転送容量が決まっています。しかし膨大なコンテンツを使用しているWebサイトの場合だと転送容量がかかるため、レンタル費用を上げてでもプラン変更などをするしかありません。
そこでCDNの特徴として、キャッシュサーバーがオリジンサーバーの代理で応答を行うため転送量量をそこまで意識する必要がなくなるのです。結果的にサーバー費用を抑えることができ、運用コストの負担を軽減することができます。
とはいえサーバー費用を抑えることができるのは、転送量によって費用が変化するレンタルサーバーに限られます。ご使用のレンタルサーバーの料金形態をしっかりと確認しておくことが大切です。
オリジンサーバーは大量のアクセスが集中することによって、サーバーダウンなどの問題につながることは前述した通りです。
例えば「DDos攻撃」は、大量のアクセスによってサーバーダウンを狙うサーバー攻撃です。しかしCDNを利用することによって負荷を分散することができるため、サーバーダウンなどのリスクを軽減することが可能です。
またCDNサービスの大手企業は、セキュリティ向上のためにDDos攻撃を監視・検知・防御するための仕組みを提供しており、より便利で安心なサービスへと信頼性を高めています。
メリットばかりのCDNだと感じますが、上記のようなデメリットがあります。
それぞれ確認してみましょう。
通常の場合、Webサイトにユーザーがアクセスするとオリジンサーバにアクセス元情報がログとして記録されます。しかしCDNを利用することによって、キャッシュサーバー側だけにログが残るため、すべて特定することが困難な場合があるのです。
またCDNのサービスによっては、キャッシュサーバーに対してアクセスログを提供していないことがあるため注意が必要です。
キャッシュの特徴から、オリジンサーバーのファイルを更新したとしてもすぐに修正箇所が反映されないということがあります。これはキャッシュサーバーが更新前のデータを保持したままであることが原因で、この様なケースにならないためにも保管期間を調整して設定することが必要となります。
すぐに更新内容が反映されないとユーザーにとって最新情報を届けることができず、場合によっては不利益を与えてしまうこともあります。当然ながら逆も考えられるでしょう。
会員サイトなど個人情報や機密情報が掲載されたページをキャッシュ対象とすることによって、情報漏洩の可能性につながるため注意が必要です。これを「キャッシュ事故」と呼びます。
キャッシュ事故を防ぐためには、キャッシュするコンテンツの対象をしっかりと選択しておくことが重要です。CDNは高速表示など便利な反面、キャッシュサーバーに情報が保管されるため設定内容には注意が必要です。
CDNを利用することで、Webコンテンツを効率よく安定的に配信できることは理解できたでしょうか。ページの表示遅延を軽減できる他、サーバーへの負荷を減らせるメリットがあることは先述した通りです。
そこで、実際にどの様な場面でCDNは利用されているのか、具体的な事例をここからご紹介していきます。
世界の全ウェブサイトの43%がWordPressで作られているほど、高い使用率を誇っています。
そのWordPressは運営するにあたり、サーバーに高い負荷をかけていることが特徴です。その理由としてはアクセスを受けるごとにページが生成される「動的コンテンツ」であることが理由で、ページ表示(レスポンス)が遅くなることもよくあるのです。
CDNを利用すれば、オリジンサーバーでHTMLファイルの作成を繰り返す必要がなくなるため、ホームページの負荷が減るとともにレスポンスを速くすることができるのです。
ここでいう「ライブラリ」とは、jQueryなどのJavaScriptライブラリなどを指しています。
プログラムにおいてよく利用される機能を切り出して、再利用しやすいようにまとめられたライブラリは、インター時ネット上に保管されていることが特徴です。そのためCDNを利用することによって、ライブラリデータがキャッシュサーバーに保管されるため、オリジンサーバーの負荷を軽減することに役立ちます。
場合によっては元々ライブラリをキャッシュサーバーに保存しているCDNもあるため、そのようなサービスであれば自社サーバーにライブラリをアップロードする手間を省くことができます。
画像やHTMLファイルであればデータ容量はそこまで大きくはありませんが、動画となればかなりのデータ容量となります。そのため動画コンテンツを配信しているサーバーは大きな負荷がかかります。
そのため、「再生ボタンをクリックしても再生までに時間がかかる」「そもそも再生すらできない」というような体験した方も多いかと思います。この記事でも述べている様に、ページの表示速度が違うだけで、離脱率や売上に大きく影響を及ぼすというケースも考えられるのです。
CDNを利用することでオリジンサーバーの負荷を軽減することができるため、安定的な動画配信を実現できるようになります。
サイトによっては、画像コンテンツがたくさん使用されているサイトがあります。
当然ながら画像が多いサイトは、その分読み込みに時間がかかるため表示スピードの遅延につながります。動画コンテンツはかなりのデータ容量であることは先述しましたが、テキストの次に画像コンテンツがデータ容量が大きくなります。
そのため数枚ほどであればそこまで影響はないのですが、複数ページに画像コンテンツを使用しているサイトにとってCDNは必要となる技術なのです。
弊社では導入しやすいCDNサービスを提供しています。
画像を最適化しページの読み込みを高速化するツール「SIO」
インターネットの普及が急速に進んでいる今、誰でも手軽にWebコンテンツをみることが可能です。そして、より効率的かつ安定的な配信を実現するためにはCDNは欠かせません。
CDNを利用することで、ユーザーは快適にWebコンテンツをみることができて、Webコンテンツの管理者はサーバーへの負荷を軽減することにつながります。CDNサービスはいくつかあるため、自社サイトに適したものをぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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