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2%を魅了する強いこだわり

 
Writter:山口 裕介
2018.10.10

ファン化をすすめている、大好きな成功事例

ターゲットを絞り込み、ファンづくりを大切にするブランド戦略で成果を出し始めている、日本の自動車メーカーの戦略をご存知でしょうか。

それは、広島県に本社を置く、マツダです。

経営不振の時期もあり、一時期は外資の資本比率が3割を超えた時期もあり、値引き戦略で販売台数を確保していました。

しかし、2015年にフォードが手を引いて以降、単独での戦いを強いられることになります。
世界シェアでみると1.5%程度の、業界では小さな自動車メーカーです。

そのマツダがとっているのは「シェア2%戦略」

自動車はあくまでも移動手段です。
自動車を購入する多くのユーザーは、価格の安さや燃費の良さ、幅広くうけのよいデザインを求めています。

しかし、マツダは「人馬一体」をテーマに、運転の楽しさを追求する戦略。
それに共感するわずか2%のユーザーをターゲットにしています。

  • 魂動デザインという事で、動物の持つ躍動感や力強さを基にした統一コンセプトで展開するデザイン。
  • 一般的には選ばれることが少ない、赤というコンセプトカラー。
  • コスト面から他の日本メーカーではあまり採用されていないオルガンペダル。
  • ドライバーの運転姿勢を最優先した、人間中心のハンドルやペダルの位置。
  • 新開発で世界を驚かせた、超高圧縮ガソリンエンジンや低圧縮ディーゼルエンジン。
  • ほとんどのモデルに搭載しているマニュアル仕様。

などなど、運転を楽しむことを軸に、随所にこだわった車づくりをしています。

車を移動手段として捉える、多くのユーザーにとってはほぼ興味のないことばかりです(笑)

でも、それこそが「シェア2%戦略」につながっているとも言えます。
実際に、平均車両単価が上がっているにもかかわらず、ほぼ値引きを行わない販売戦略を続けています。

何を大切にするか、誰を大切にするか

そのこだわりは、ディーラーの内装にも表れており、非常に高級感のある落ち着いた空間に生まれ変わりました。

私の知っているディーラーでは、商談・展示スペースと同程度のオーナー待機スペースを設けています。

商談に来ている方の車を見ると、ベンツやBMWといった高級車のオーナーも多く、これらのブランドからの乗り換えを検討している方も増えているようです。

また、ホームページやSNSをフル活用し、積極的にオーナーボイスなど、ファンとの交流を発信しています。

そして、マツダ公式ブログでは「インテリアデザインの裏側、カラーデザイナーの素顔。」など、作り手のこだわりなども配信しています。

デザイナーさんだけではなく、製造現場の職人さんや塗装の事、道具のことなど「モノ造り」へのこだわりだけでも、非常にたくさんの情報が掲載されています。

こういった情報を読みたくなるのがまさにファンだと言えます。
読むことでさらに魅了され、ファン度が高まっていきます。

多くの人には興味がない、だけど一部の人をとても魅了するような「こだわり」。
これこそが、これからの中小企業が選ばれるために大切な事ではないでしょうか。

会社規模はまったく違いますが、自分が好きな会社を逆から見てみる、自分の会社に当てはめてみると、いろいろと面白いものが見えてきます。

話題はそれますが・・・個人的には、FRが噂されている、アテンザのフルモデルチェンジがとても気になるところです。

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